新東京タワーが建設されることで注目を集めている東京都墨田区。そこに町の一部が奇跡的に戦災を免れ、そのままの形でゆっくりと復興してきた京島地区があります。周りから高層マンション群が押し寄せる中、昭和の空気を残したままの佇まいを守っている好ましい町並みが残っています。しかし、住む上では周辺とのバランスがとりにくくなっていることも想像に難くなく、再開発の波が押し寄せて来ていることも確かです。昭和の匂いを2004年4月に撮った写真と一緒にアルバムにしてみました。曳舟駅近くの線路にはさまれた敷地の高層マンション建築現場を囲む養生パネルに昔の「町」の空気を懐かしむ小さな詩が写真を添えて印刷されていました。住民のささやかな抵抗なのか、諦めなのか、あるいは住民に対するゼネコン側のエクスキューズなのか。心引かれた3編を載せてみます。